牛頸川流域の環境
【 牛頸川(うしくびがわ) 】
牛頸川は博多湾に流れる御笠川の支流で、牛頸山を水源とする6.4kmの小さな川です。福岡市のベッドタウン春日市、大野城市の住宅地を縫って行く川ですが、生活用水が流れ込まないのか意外に綺麗な清流です。カマツカやハヤなどの小魚がいるので、カワセミ、コサギ、アオサギなどが住み着いています。
「牛頸川 中流」
上流は、大野城市になり、宅地や畑の中を通りながら牛頸ダムに至ります。
「牛頸川 上流」
御笠川(みかさがわ)は、太宰府市の宝満山を源とし博多湾に注いでいる全長24kmの二級河川。
「御笠川合流地点・牛頸川(正面)」
【 福岡県営 春日公園 】
1981年(昭和56年)に米軍基地(春日ベース)の跡地に開園した公園です。野球場、テニスコート、ジョギングコースなどがあり市民の憩いの場所になっています。
公園内の植栽にエノキ、クス、クヌギ、マテバジイ、ヤナギ、タイサンボクなどがあるので、ゴマダラチョウ、アオスジアゲハ、ムラサキツバメ、コムラサキなどが見られます。ミカドアゲハも数回見たことがあるので、ひょっとすると生息しているのかもしれません。
【 春日神社 】
春日市の名前の由来にもなった神社で、起源は奈良時代までさかのぼり、奈良の春日大社から神様を迎えて春日大明神として社殿を創建したそうです。
社殿の後ろはうっそうとした森になっており、大きさは3.1h。スダジイを中心にした「春日の森」緑地保全区になっています。
ここは、住宅街に囲まれた孤島のようなところですが、けっこう山に住むチョウか住んでいます。ツマキチョウ、イシガケチョウ、コミスジ、ルリタテハ、テングチョウ、クロコノマチョウ、ウラギンジジミ、ムラサキシジミ、ムラサキツバメ、サツマシジミ、などです。
「牛頸川からの春日の森」
【 牛頸ダム 】
牛頸ダムは高さ52mのロックフィルダムで、下流の御笠川水量を一定にし水質汚染を改善するために作られた治水ダムだそうです。大きなダムではありませんが、ダムの周りは自然林や草地も多くチョウの生息に適した環境です。
「正面右が黒金山」
「牛頸ダム湖と牛頸山」
ダムには沢から流れ込む小さな渓流があり、湖畔に砂地を形成します。そんな場所は吸水にやっくるチョウのポイントです。
湖畔の一部には遊歩道があり、日当たりもよいので種々の雑草が繁茂しています。アザミ、ヒメジョオン、アレチハナガサ、ミゾソバ、ヌマツルギク、セイタカアワダチソウなど季節の花にチョウがやってきます。
ダム湖というより大きめの池かなと思えるくらいの規模です。遠景は大野城市、春日市、博多湾になります。
「黒金山中腹から見た牛頸ダム」
【 牛頸山(うしくびやま) 】
ダム建設により廃田となった棚田のはサクラが植えられお花見ができる環境です。定期的に草刈りもおこなわれるので、アザミ、ノダケ、カラムシ、キツネノマゴ、ヤマハッカなどの野草が育ち、花を求めて山地性のチョウが現れます。
沢からダムに流れ込む小さな渓流は蝶道にもなり黒いアゲハ類が行き交います。また見通しも良いのでオスが縄張りを張っている場面にも出くわします。
牛頸山山頂(447m)より東側を見た風景です。対面する山は宝満山(829m)で、裾に見える低い山が四王寺山になります。
「牛頸山山頂より」
こちらは宝満山中腹よりみた牛頸山です。正面の低い山が牛頸山。奥の右が背振山(1.055m)、左は九千部山(848m)で山向こうは佐賀県になります。
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