ヤクシマルリシジミ
● オス
【ヤクシマルリシジミ】 撮影日2015.6.11 場所「春日市 春日公園」
広場のシロツメクサの花にルリシジミらしきチョウがとまっているので、5枚ほど撮って拡大してみるとヤクルリです。再度あわてて撮影しますが飛び立たれて見失い、残ったのはピントの甘い写真だけでした。左後翅のわずかに見える翅表からするとオスのようです。

昨年の秋には良く見掛けたのですが、今頃撮れたのは初めてです。福岡で定着しているのかは疑問で、長崎方面から流れてきているのかもしれません。

【ヤクシマルリシジミ】 撮影日2016.7.10 場所「大宰府市 四王寺山」
鳥の糞を吸汁しているのを見つけました。

接近したカメラが気になったのか飛び立ち、木の葉にとまります。

しばらく翅を閉じていましたが、徐々に翅を広げ始めます。

全開の姿です。ルリシジミより深い青色で、太い黒縁が前翅から後翅まで続いているところが特徴でしょうか。

【ヤクシマルリシジミ】♂ 撮影日2016.8.16 場所「大野城市 牛頸山」
かなりくたびれたオスです。

こちらは新鮮な個体です。

翅をすり合わせながら吸水していました。

【ヤクシマルリシジミ】 ♂ 撮影日2013.10.31 場所「春日公園 近辺」
牛頸川の土手で、ちょっと青っぽいシジミが飛んでいたので、ツバメシジミかなと思いつつ、撮影してみると「ヤクルリ」のように見えます。

開翅はしてくれなかったので詳細はわかりませんが、吸蜜時に少し開きかけた翅から内部が見え、雌雄の区別が判ったていどです。しかし、ピンボケで残念です。

ヤクシマルリシジミと思われる根拠ですが、後翅肛角部付近の黒点が結合して「く状」になっていることと、外縁に沿う弦月状斑紋がつながって波線になっているような点です。見慣れない種なので、同定できるまでに、1シーズンかかりました。

【ヤクシマルリシジミ】♂ 撮影2014.11.6 場所「春日公園 近辺」
牛頸川の土手にヤマトシジミに混じって、動きの速いシジミがいました。ヤマトより、やや青っぽいのでツバメシジミかなと思いながら追跡するとヤクルリです。

【同上・同一個体】
オスのまともな開翅姿の写真が無かったので嬉しかったのですが、またしてもボロな個体です。メスはそこそこキレイな個体も見かけるのですが・・・・

【ヤクシマルリシジミ】♂ 撮影2014.11.16 場所「糟屋郡・久山」
福岡市近郊に広範囲で出現しているようです。夏は小型でしたが、秋に見る個体はいずれもルリシジミと同じぐらいの大きさが多いようです。

【同上・同一個体】
吸蜜後、ダイコンの葉の上で休憩。

【ヤクシマルリシジミ】撮影日2017.1.17 場所「春日市 春日神社近辺」
6日に撮りそこなったモデルが再度現れ、今度は識別可能な写真が撮れました。えらく元気な個体で、人影に気づくとアッと言う間に飛び去りました。

近くの空き地に別個体がいました。こちらはタキ火跡の灰の上で吸水中。裏面の鱗粉も剥げて模様もぼんやりです。

【同上・同一個体】
南国出身のチョウがこれほど寒さに強いとは思いませんでした。成虫の寿命がどれほどか知りませんが、12月に羽化したとしてもそろそろ限界かなと思います。それとも越冬するつもりでしょうか。

● メス
【ヤクシマルリシジミ】♀撮影日2017.3.11 場所「大野城市 牛頸ダム」
ダム湖の岸辺で探していると、足元から飛び立ちます。ルリは初見だったので着地点を確認後、慎重に接近し撮影。

飛び立った時に翅表が黒っぽかったのでメスかなと思いつつ、撮影していると翅を広げ始めました。撮影後確認してみると、ルリにしては前翅の黒縁の幅が広すぎます。どうやらヤクルリのメスのようです。

裏面を確認すると、亜外縁部の弦月紋は連続せず不明瞭ですが、肛角に近い黒斑は結合しています。鮮度からすると1化でしょう。秋には多数見かけますが、春先に見つけたのは初めてで、どうやら地元で発生した個体です。福岡は迷蝶とされていますが、今後は土着となるかもしれません。これからはルリと思い込まず、疑いを持って撮らねばなりません

【ヤクシマルリシジミ】 ♀ 撮影日2014.7.22 場所「牛頸山」
渓流沿いで、チラチラ上下動して飛んでいるシジミがいたので、ゴイシシジミかなと思い、しばらくとまるのを待っていました。葉上にとまったので翅裏をみると、ルリシジミのようです。なんだと思っていると、ジワ~ッと翅を半分開きます。黒々しい翅表が見えた時、ヤクシマと気づきました。昨年の10月31日にヤクシマらしきシジミを撮影しましたが、今回は間違いないようです。牛頸川流域での64種目のチョウにになりました。
後翅の亜外縁部の弦月紋様が明瞭に連続していることと、肛角部付近の黒点が結合して「くの字」状になっている点が特徴でしょうか。

【同上・同一個体】
ルリシジミに比べると、メスの外縁の黒帯は、かなり広く感じます。

【同上・同一個体】
60年前に発行された「原色日本蝶類図鑑」によると、「原産地として知られる屋久島の他には、鹿児島の城山・霧島山・佐多岬・志布志・垂水に見いだされ四国では高知に、本州では紀伊半島に発見されている。」と記載されています。現在では、九州では長崎・大分、四国・本州では太平洋岸を愛知県まで生息していると聞いていますが、ずいぶん北上したものだと思います。今後、牛頸山でも定着しているのかを観察したいと思います。

【ヤクシマルリシジミ】 ♀ 撮影日2014.7.22 場所「牛頸山」
上図とは別個体です。10m程の場所に3匹のメスがいました。食草が生えているのかもしれません。南国のチョウのせいか、ルリシジミのように機敏性がなく、飛んでもすぐにとまります。身体もルリより少し小さいようです。

【同上・同一個体】
この個体は羽化後、かなり時が経っているようで、鱗粉も落ち色褪せしています。

【ヤクシマルリシジミ】♀ 撮影日2015.10.4 場所「大野城市 牛頸川上流」
バラが咲いている花壇で見つけました。バラも食樹の一つなので産卵しにやって来たようです。

バラの花でチョウが吸蜜しているシーンには出会った記憶が有りません。調べてみるとバラには蜜が少ないそうです。ハチがやってくるのは、花粉が欲しいからだとか。

開翅するかと思い、しばらく待ちましたが無駄でした。

【ヤクシマルリシジミ】♀ 撮影2014.11.29 場所「牛頸川 中流」
晩秋なのに大変キレイな個体です。本種は北上傾向で熊本や長崎では土着しているようですが、福岡ではまだ迷蝶とされています。

後翅の青鱗や亜外縁の斑紋が明瞭になるなど、「低温期型」の特徴が良く表れています。

下図は11月5日に撮影したヤクルリですが、上図に比べるとずいぶん雰囲気が違います。

光の角度により青味が強く見える位置があるようです。

●-産卵行動ー
【ヤクシマルリシジミ】♀ 撮影日2015.6.21 場所「大野城市 牛頸山」
渓流の斜面に生えたフジ蔓の周りで飛んでいるのを見つけました。

休憩後、ヤマノイモの蔓にとまります。

それから、あちこちの新芽を渡り歩くので妙だなと思いつつ撮影しました。

撮影後、拡大してみると産卵しているようです。食草を調べてみるとマメ科の植物だけではなくバラ科、マンサク科、トウダイグサ科などいろいろあるようです。ヤマノイモ科が含まれているのかはわかりません。

【ヤクシマルリシジミ】 ♀ 撮影日2014.7.29 場所「牛頸山」
ルリシジミに比較すると、一回り小さい大きさです。飛んでいると「ゴイシシジミ」に間違えそうな雰囲気です。

運よく産卵場面に遭遇しました。

「フジ」のようなマメ科の植物の新芽に産卵しています。

産み付けられた卵。秋には羽化して3化になれば良いのですが。

「フジ」と思われる蔓草です。 若葉が大きくなると、下にあるような葉になります。

●「ヤクシマルリシジミ」と「ルリシジミ」の相違点
翅裏からみた両種の違いを調べると下記のような事でした。
ヤクシマルリシジミ(左列) ルリシジミ(右列)

左から2番目の黒点が斜めになる。 2番目の黒点は平行。
肛角部の黒点が結合「くの字」状。 黒点が離れている。
亜外縁の弦月紋様が連続。 弦月紋が不明瞭
【ヤクシマルリシジミ】 撮影日2015.6.11 場所「春日市 春日公園」
広場のシロツメクサの花にルリシジミらしきチョウがとまっているので、5枚ほど撮って拡大してみるとヤクルリです。再度あわてて撮影しますが飛び立たれて見失い、残ったのはピントの甘い写真だけでした。左後翅のわずかに見える翅表からするとオスのようです。

昨年の秋には良く見掛けたのですが、今頃撮れたのは初めてです。福岡で定着しているのかは疑問で、長崎方面から流れてきているのかもしれません。

【ヤクシマルリシジミ】 撮影日2016.7.10 場所「大宰府市 四王寺山」
鳥の糞を吸汁しているのを見つけました。

接近したカメラが気になったのか飛び立ち、木の葉にとまります。

しばらく翅を閉じていましたが、徐々に翅を広げ始めます。

全開の姿です。ルリシジミより深い青色で、太い黒縁が前翅から後翅まで続いているところが特徴でしょうか。

【ヤクシマルリシジミ】♂ 撮影日2016.8.16 場所「大野城市 牛頸山」
かなりくたびれたオスです。

こちらは新鮮な個体です。

翅をすり合わせながら吸水していました。

【ヤクシマルリシジミ】 ♂ 撮影日2013.10.31 場所「春日公園 近辺」
牛頸川の土手で、ちょっと青っぽいシジミが飛んでいたので、ツバメシジミかなと思いつつ、撮影してみると「ヤクルリ」のように見えます。

開翅はしてくれなかったので詳細はわかりませんが、吸蜜時に少し開きかけた翅から内部が見え、雌雄の区別が判ったていどです。しかし、ピンボケで残念です。

ヤクシマルリシジミと思われる根拠ですが、後翅肛角部付近の黒点が結合して「く状」になっていることと、外縁に沿う弦月状斑紋がつながって波線になっているような点です。見慣れない種なので、同定できるまでに、1シーズンかかりました。

【ヤクシマルリシジミ】♂ 撮影2014.11.6 場所「春日公園 近辺」
牛頸川の土手にヤマトシジミに混じって、動きの速いシジミがいました。ヤマトより、やや青っぽいのでツバメシジミかなと思いながら追跡するとヤクルリです。

【同上・同一個体】
オスのまともな開翅姿の写真が無かったので嬉しかったのですが、またしてもボロな個体です。メスはそこそこキレイな個体も見かけるのですが・・・・

【ヤクシマルリシジミ】♂ 撮影2014.11.16 場所「糟屋郡・久山」
福岡市近郊に広範囲で出現しているようです。夏は小型でしたが、秋に見る個体はいずれもルリシジミと同じぐらいの大きさが多いようです。

【同上・同一個体】
吸蜜後、ダイコンの葉の上で休憩。

【ヤクシマルリシジミ】撮影日2017.1.17 場所「春日市 春日神社近辺」
6日に撮りそこなったモデルが再度現れ、今度は識別可能な写真が撮れました。えらく元気な個体で、人影に気づくとアッと言う間に飛び去りました。

近くの空き地に別個体がいました。こちらはタキ火跡の灰の上で吸水中。裏面の鱗粉も剥げて模様もぼんやりです。

【同上・同一個体】
南国出身のチョウがこれほど寒さに強いとは思いませんでした。成虫の寿命がどれほどか知りませんが、12月に羽化したとしてもそろそろ限界かなと思います。それとも越冬するつもりでしょうか。

● メス
【ヤクシマルリシジミ】♀撮影日2017.3.11 場所「大野城市 牛頸ダム」
ダム湖の岸辺で探していると、足元から飛び立ちます。ルリは初見だったので着地点を確認後、慎重に接近し撮影。

飛び立った時に翅表が黒っぽかったのでメスかなと思いつつ、撮影していると翅を広げ始めました。撮影後確認してみると、ルリにしては前翅の黒縁の幅が広すぎます。どうやらヤクルリのメスのようです。

裏面を確認すると、亜外縁部の弦月紋は連続せず不明瞭ですが、肛角に近い黒斑は結合しています。鮮度からすると1化でしょう。秋には多数見かけますが、春先に見つけたのは初めてで、どうやら地元で発生した個体です。福岡は迷蝶とされていますが、今後は土着となるかもしれません。これからはルリと思い込まず、疑いを持って撮らねばなりません

【ヤクシマルリシジミ】 ♀ 撮影日2014.7.22 場所「牛頸山」
渓流沿いで、チラチラ上下動して飛んでいるシジミがいたので、ゴイシシジミかなと思い、しばらくとまるのを待っていました。葉上にとまったので翅裏をみると、ルリシジミのようです。なんだと思っていると、ジワ~ッと翅を半分開きます。黒々しい翅表が見えた時、ヤクシマと気づきました。昨年の10月31日にヤクシマらしきシジミを撮影しましたが、今回は間違いないようです。牛頸川流域での64種目のチョウにになりました。
後翅の亜外縁部の弦月紋様が明瞭に連続していることと、肛角部付近の黒点が結合して「くの字」状になっている点が特徴でしょうか。

【同上・同一個体】
ルリシジミに比べると、メスの外縁の黒帯は、かなり広く感じます。

【同上・同一個体】
60年前に発行された「原色日本蝶類図鑑」によると、「原産地として知られる屋久島の他には、鹿児島の城山・霧島山・佐多岬・志布志・垂水に見いだされ四国では高知に、本州では紀伊半島に発見されている。」と記載されています。現在では、九州では長崎・大分、四国・本州では太平洋岸を愛知県まで生息していると聞いていますが、ずいぶん北上したものだと思います。今後、牛頸山でも定着しているのかを観察したいと思います。

【ヤクシマルリシジミ】 ♀ 撮影日2014.7.22 場所「牛頸山」
上図とは別個体です。10m程の場所に3匹のメスがいました。食草が生えているのかもしれません。南国のチョウのせいか、ルリシジミのように機敏性がなく、飛んでもすぐにとまります。身体もルリより少し小さいようです。

【同上・同一個体】
この個体は羽化後、かなり時が経っているようで、鱗粉も落ち色褪せしています。

【ヤクシマルリシジミ】♀ 撮影日2015.10.4 場所「大野城市 牛頸川上流」
バラが咲いている花壇で見つけました。バラも食樹の一つなので産卵しにやって来たようです。

バラの花でチョウが吸蜜しているシーンには出会った記憶が有りません。調べてみるとバラには蜜が少ないそうです。ハチがやってくるのは、花粉が欲しいからだとか。

開翅するかと思い、しばらく待ちましたが無駄でした。

【ヤクシマルリシジミ】♀ 撮影2014.11.29 場所「牛頸川 中流」
晩秋なのに大変キレイな個体です。本種は北上傾向で熊本や長崎では土着しているようですが、福岡ではまだ迷蝶とされています。

後翅の青鱗や亜外縁の斑紋が明瞭になるなど、「低温期型」の特徴が良く表れています。

下図は11月5日に撮影したヤクルリですが、上図に比べるとずいぶん雰囲気が違います。

光の角度により青味が強く見える位置があるようです。

●-産卵行動ー
【ヤクシマルリシジミ】♀ 撮影日2015.6.21 場所「大野城市 牛頸山」
渓流の斜面に生えたフジ蔓の周りで飛んでいるのを見つけました。

休憩後、ヤマノイモの蔓にとまります。

それから、あちこちの新芽を渡り歩くので妙だなと思いつつ撮影しました。

撮影後、拡大してみると産卵しているようです。食草を調べてみるとマメ科の植物だけではなくバラ科、マンサク科、トウダイグサ科などいろいろあるようです。ヤマノイモ科が含まれているのかはわかりません。

【ヤクシマルリシジミ】 ♀ 撮影日2014.7.29 場所「牛頸山」
ルリシジミに比較すると、一回り小さい大きさです。飛んでいると「ゴイシシジミ」に間違えそうな雰囲気です。

運よく産卵場面に遭遇しました。

「フジ」のようなマメ科の植物の新芽に産卵しています。

産み付けられた卵。秋には羽化して3化になれば良いのですが。

「フジ」と思われる蔓草です。 若葉が大きくなると、下にあるような葉になります。

●「ヤクシマルリシジミ」と「ルリシジミ」の相違点
翅裏からみた両種の違いを調べると下記のような事でした。
ヤクシマルリシジミ(左列) ルリシジミ(右列)


左から2番目の黒点が斜めになる。 2番目の黒点は平行。


肛角部の黒点が結合「くの字」状。 黒点が離れている。


亜外縁の弦月紋様が連続。 弦月紋が不明瞭


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